Graduation
2024年が明けました。時の経つのは早いですね〜。
年が明けたら、あっという間に卒業の季節がやってきます。「graduation」というと、ほっとした生徒や学生の顔が見えるようですが、人生の次の節目への門的を記すせいか、「commencement(始まり)」ともいいます。
祝辞は「commencement address」。祝辞といってわたしが一番心に残っているのは、知っている方も多いと思いますが、あの有名な2005年のアップルの創始者、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学におけるスピーチです。
いつ聞いても感動しますね。
学校ゆかりの名士や政治家をまねくのは、巣立っていく若者たちに、立派な人をお手本にして、前進して欲しいという親心なのでしょうか。わたし個人としては祝辞を聞くのは結構苦痛なので短めにお願いしたいですが、スティーブ・ジョブズのような祝辞なら大歓迎です。
スティーブ・ジョブズがお手本になるのかどうかは置いておいて、お手本となるような人は「role model」です。「A Father should be a role model for his son.(父親は息子の生き見本であるべき)」というように使います。
さて、「graduation」も節目にちなむ意味を持っています。「graduate」には、卒業するという意味と共に、日盛りをつける、等級をつけるという意味もあるからです。
「A graduate」は、従って、卒業生であると同時に、目盛り付きの容器(ビーカーなど)でもあります。卒業生の知恵の詰まり具合が気になります。
成績優秀で大学を卒業したというときは、「I graduated from college with honors.」必ず「from」を使います。「from」なしで「Stanford graduated me.」というと、スタンフォード大学を卒業したということですから、先の文章では、大学を卒業させてしまった、という意味になってしまいます。
同じことを「I am a graduate of Stanford.」 ともいえます。卒業生であれば同窓生でもあるので、「I am an alumnus of Stanford. 」なお、「alumnus」の複数形は「alumni」です。
Red
赤にはエネルギーが満ちています。命の源である血液の色だからです。元気はつらつとした連動選手などを描写する、He is a red blooded all American athlete. などが、まさに、血気にはやる若者のイメージです。
ちなみに、all American は、健全で実にアメリカ的なという立味で使われます。民族的な背景は全く関係なく、同籍がアメリカの人に対する、アメリカ人としてこうあ
って欲しいという姿を具現している、という褒め言葉です。
「血がカーッと頭に上ったよ」 と聞くと、顔が真っ赤になっている人が見えます。英語では、怒りで真っ赤になった時は、I saw red when I heard that story.(その話を聞いた時はカッとしたよ) 。頭に上った血の色が目の中に広がってしまう程に強い怒りを感じたのです。
恥ずかしい思いをしたり、困惑したりした時に顔が真っ赤になってしまうのは、When he noticed that the woman was there, the blood rushed to his face. (その女性がそこにいるのに気がついて、彼は真っ赤になった) 。いやな思い出がある場合も、期待にわくわくしている場合にも使うことができます。
血とは無関係ですが、red herring は、事件解決への方向を乱してしまうヒントや物件などという意味で、ミステリーによく出てきます。
薫製にしたニシンは色が赤くなることから来た名前だそうですが、臭みが強いので、捜査犬の訓練に使うと効果的なのだそうです。ですが、これを悪用して、捜査中の犬にred herring を嗅がせると、臭いが強いために犬は本来追跡している臭いの跡を追えなくなってしまいます。That was a red herring. は、事件解決の糸口かと思いきや、実は誤捜査の種だった、というのです。
BananaとLemon
バナナの皮を踏んづけてすってんころりというのは、マンガの世界の話ですが、実際の会話でもよく使います。
例えば企業の実績が急落した、なんて言うときに、“They hit (slipped on) a banana peel.”と言うとマンガよろしく「足をすくわれた」感が表現できたりするわけです。
バナナは色も味もやさしい果物なのに、“He went bananas.”と言えば、“He hit the roof.”や“He went crazy.”と同じ意味で、「頭にきた」「激怒した」「狂った」といった意味になってしまいます。なぜなのでしょうか? 答えを知ってる人がいたら教えてください。
もうひとつ黄色い果物といえば、レモン。レモンは花も香りも素晴らしいのですが、味は酸っぱいので、思いがけない悪い意味で使われます。“He has a sour taste in his mouth.”というと、苦い思いをすることです。
そうした連想からなのかどうかわかりませんが、たとえば、買ったばかりのクルマが欠陥品だった場合“His car is a lemon.”と言います。
そうしたlemonを買い込んでしまった人を救済するために、欠陥車を代替の正常なクルマと取り替える義務をディーラーに課した法律までできています。これをlemon lawと言います。“His new car kept breaking down. He went bananas. But he was saved by the lemon law.”(彼の新車は故障ばかりしていて、彼は頭にきてたんだけど、lemon lawのお陰で助かったんだ)というわけです。
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Popular
来年はアメリカ大統領選挙があります。わたしもアメリカ市民の端くれですので1票を投じに行こうと思っています。
大統領選挙では、実は直接国民が大統領候補者に投票するのではなく、まず一般投票(popular vote)で有権者は、州ごとの選挙人獲得への票を投じます。そして、当選した各州の選挙人が大統領を選出(electoral vote)するという仕組みになっています。
はじめは一般選挙の得票報道で「popular vote」と聞いて、「人気投票得票数」のことを言っているのかと思っていましたが、この場合の「popular」は、ラテン語の語源「大衆」という意味、つまり「of the people」という意味でした。
結局、支持する人の数が多ければ、人気も高いので、意味は似ているわけであながち間違っていないような気もしますが、翻訳するとき、人気票と支持票では意味は微妙に違ってしまいますね。
popularには単に「一般、大衆の」という意味と、「人気がある」あるいは「好感度が高い」という意味があります。“The fact is popularly known.”(その事実は一般に知られている)というような場合には、好悪とは無関係に、一般の人々が知っている、と言っているのです。一方、“The idea is popular among students.”(学生間で好評)となると、人気があるのです。
名詞のpopularityは、ラテン語の「大衆の気を引く」から「人気」という意味。“He enjoys enormous popularity among voters.”(選挙民に絶大な人気がある)というふうに使います。
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Outstanding
Outは「枠外」と考え、outstandingは枠の外にはみ出て立っている、といったふうに感覚的に理解すると、理解しやすいと感じています。
“He is an outstanding student.”(彼は秀抜な学生だ)といった表現がすんなりと自然に入ってきます。“He achieved outstanding results.”(顕著な実績を上げた)なども同じ用法です。目立つほどに立派で、常にすばらしいという感覚が伴います。
しかし、駐車違反の罰金未払い分はoutstanding fines といい、未払いの請求書もoutstanding billsと言います。未払い分がありますよ、と言いたい場合には、“You have outstanding fines.”とも、“You have fines outstanding.”とも言うことができます。支払うことが当然の枠組みと考えれば、筋が通るような気もする表現です。
株式で、発行済みの株のこともoutstanding shares と言います。市場に出ているという意味なのでしょう。
動詞のstand は「立つ」という意味のほかに、「ある状態で存在する」といった意味でも使います。stand out となると、ある存在しているものが「目立つ」「非常に目を引く」といった意味になります。“His talent stands out.”と言えば、彼の才能が群を抜いて目立っているのです。この場合は、一番目のoutstanding と意味が同じで、誉め言葉です。
しかし、stand out はいい場合にのみ使うとは限りません。近所に修理をしないで放置した家があると、近隣の人たちは、その家を横目に“His house stands out."(彼の家は目立つよ)などと言うかもしれません。もちろん、この文筆だけでは、誉めているのか、けなしているのかは不明です。そこがまさに、巧妙なセリフだったりします。
Toast
Toast、つまりトーストですが、日本ではおそらく食パンをトースターで焼かれたものを思い浮かべるでしょうが、英語ではそれ以外にもいくつか意味があります。
まず、Toastには「おしまい、負ける、退散する」という意味があります。“He is toast.”と言うと、「彼はおしまい」ということです。たとえば、いたずらがパレてつかまった悪童のことを、見ていた人が“He is toast.”と言うと、「あいつ、しぼられるよ」という感じです。
また、ビジネスの場であれば、ささやかなソフト会社を経営している「彼」の事業分野にマイクロソフトが乗り出すとのニュースが流れたときに、“His business is toast.” と仲間が噂をする、といった状況で使うわけです。
こうしたtoast は、語源をたどると、「乾かす、干からびさせる」といったことばから出たもので、トーストに通じます。
なお、トーストを食べるのは、“I eat toast.” で、冠詞はつきません。枚数を言いたいときは、“I eat a piece (two pieces) of toast.”などとなります。
冠詞をつけて、“I offer a toast.となると、乾杯の音頭をとることです。健康でありますように、との願いをこめて乾杯をするのは“A toast to your health!”です。
“He is the toast of the town.”というと、この彼は、皆が乾杯の杯をあげるような人と、いうことです。
しかし、“He is toasted.”となると、お酒を飲みすぎて、酔っ払っているという意味になります。
To touch
To touch は触ること。でも、いろいろな使い方があって、面白い言葉でもあります。
Touch footballは子供たちが芝生でよく遊んでいる競技。大人がレクリエーションに興じるゲームでもありますが、touchは文字通り「触る」こと。アメフトのタックルの代わりに触る、というルールのアメリカンフットボールの変種です。
かつて、電話会社のコマーシャルに「Reach out and touch someone.」というのがありました。電話会社の意図は、「ダイヤルに手を触れて、相手に接続すること」を奨励しているわけです。文章を直訳すると、「手を差し伸ばして、だれかに触りましょう」となります。心を読むと「こちらから働きかけて、相手の心に触れよう」という気持ちの表現でもあります。
さて、子供たちに性的ないたずらなどの噂や問題が起こった時に、“Did somone touch you?”(だれかいたずらしなかった?)といった表現をします。「身体を人に触らせたりしてはだめよ」と言う時は、“Don’t let anyone touch you.”これは、touchをいかがわしい触り方の婉曲表現として使っている場合です。
形容詞としてのtouchingは、心を揺さぶる、感動的な、といった意味になります。お芝居などを見て、“It was a touching show!”と言えば、感動したのです。涙を誘うようなシーンは、“The scene was touching.”心に触れた、というわけです。
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